灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

旅立った子猫に捧げる鎮魂歌

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木枯らしが吹いて今日は冬の寒さだ

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君と出遭ったのは5日前

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私を見つけると一目散に駆けてきた君

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膿だらけの顔
激しい咳
なんとか助けようとしたけど
命は賭けてなかった
君は命懸けだったのに



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沢山食べて
ジャンプもして
もう大丈夫と思った
その日の晩
俄作りの発泡箱のベットの中で
無残な姿に変わっていた

猫があんなに寒さに弱いだなんて・・・

それにしても君は愛想のいい猫だった

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もう体は冷たくなって死にかけているのに声を掛けると
微かな声でミャーと返事していた
・・・・・・・・・・・・
電気アンカを買いに行った僅かのあいだに
君は旅立ってしまった
暖かいペットボトルに乗って

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安らかに眠りたまえ
またどこかの星で出あうだろう


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その時は宜しく
たとえ君が人間で私が猫であったとしても


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心の中の小さな引っかき傷が疼くから
世界が少しづつ変わって見えるんだ