灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

2014-12-01から1ヶ月間の記事一覧

いのしし

土曜日の午後だった。 郁夫は仕事で車を走らせていた。 城山トンネルの手前で前を走る車が次々に減速するのに気付いた。 センターラインの際に落下物でもあるのか・・・ 視界が開けて、それが横たわった獣である事がわかった。 左にハンドルを切って通過する…

髭のないサンタ

源蔵はディスカウントショップの通路を歩いていた。 夕暮れ時 外は時雨ていて広い店内は閑散としていた。 源蔵が来たのは十年来使っているテレビの調子が悪く 掘り出し物でもあればこの際買い換えようかと思ったからだった。 もう何年も独り暮らしの源蔵には…

クラゲ

獄に繋がれるほど 賢くなく 騙されて殺される程 優しくもなく 追いかけられる程 格好良くもなく ただ流され 世間に流され 我欲に流され くだくだと未練がましく 愚痴だけ達者で 懲りず飽きず 悟らず目覚めず そういう毎日を 漂ってます

今日の1枚

無念!

今日の1枚

夜の前と夜明け前は似ている 我々の乗った船が向かうのは果たして・・・

何が欲しいのだろう

一体自分は何が欲しいのだろう? 洋造は川面に映る自分自身の影に問いかけてみる 金か? 人の羨む肩書きか? どちらかと言えば金だろう では何故金が欲しいのか 洋造はてくてく歩きながら考えてみる 楽がしたいのか 否 贅沢がしたいのか 否 では何故金が欲し…