灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

かみしばい

羊たちの中にも その仕組みにうっすらと 気付いた者もいました けれども多くの羊は 依然として狼を畏れて 羊飼いの側を離れませんでした 彼等は毛並みの美しさを 競ってみたり鳴き声の上手さを 自慢したりしていました 羊飼いは忠実なドックを使って 常に群…

出来事

昨日 会社から歩いて帰る途中 悲しいできごとにあった 踏切の向こうに下り電車が止まっていて 遮断機は降りたまま警報もなっていた あたりはもう薄暗く 橋の上で二人の女の人が気色ばんだ口調で話していた いや~どうするんね若い女の子やろ ほらあそこ標識…

夕暮れ

片耳の垂れた犬と 母になれない女と 屋根のないバスに乗って 私は旅に出る 往く宛てのない旅 歯のない運転手と 乗客は私たちだけ 窓ガラスから 夕陽が射し込む ばさばさの毛の 犬は寝ている 少し出っ歯の女は 遠くの海を見ている 私は残り少ない ウイスキー…

そんなに遠くはない

ボクは1日1万歩歩く 1の1万倍が10000 この1円を1万枚集めて1万円 この1年を1万回遡れば1万年 1万年前はそれ程遠くない けれど車も飛行機もお金もなかった 日本という国もなかった 1円を1万枚集めれば1万円 1年を一万回遡れば1万年前 石油も…

アブラカタブラ

なし崩しに 新しい年は来て 僕たちは 新しい草場へと 移動を始める 途轍もない 何かの影が 背後に忍び寄る 歯車は 少しづつ 早くなって 誰もがそれに 気付かないふりを している 神が死んだのは 衆知の事実だが デビルやサタンも 行くへが知れない 悪や善の…