灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

夕暮れ

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片耳の垂れた犬と
母になれない女と
屋根のないバスに乗って
私は旅に出る



往く宛てのない旅
歯のない運転手と
乗客は私たちだけ
窓ガラスから
夕陽が射し込む



ばさばさの毛の
犬は寝ている
少し出っ歯の女は
遠くの海を見ている
私は残り少ない
ウイスキーをちびちび
やってる



バスがどこへ行こうが
気にもならない
どうせどこも夜だろう
切符は片道だし
バスが止まったら
降りるだけ

ただそれだけ