灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

2013-12-01から1ヶ月間の記事一覧

no2

それから1時間くらい一基一基 丹念に墓標を調べて廻った。 R氏はどうしてもその墓を見つけたかった。 おぼろげな記憶を頼りに陽が西の空に傾いた頃 漸くその墓を見つけた。 ちっぽけな古びた墓だったが、向き合って立つと往時の光景が目の当たりに浮かんで…

no1

十年くらい前 あの住宅が建っているところにU氏の会社はあったのだ。 今はその会社も潰れてしまって、誰も覚えていないだろう。 あの頃U氏は一人の女性と付き合っていた。 その女性とも会社が潰れたどたばたで別れてしまった。 今は別の会社で働いているU氏…

初冬の佇まい

太陽の光も 雲の感じも木々の佇まいも初冬の様相を帯びてきた 船の墓場には新入りの潜水艦 里山の木々も鮮やかだった紅葉が散り始めている 切られて間もない青だけを拾って帰って俄か作りの花器を創ってみた 白い冬はすぐそこに…。