灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

奇遇だね@@てん

天満町を過ぎたあたりから 猫の勢いが酷くなった ギャンギャン鳴きながら降って来る スイスイと避けながら なんとか甘もんやに辿り着いた 重い鉛の扉を押して入ると 寅さんによく似た若い女店員が イラハイマセ と頭を下げる ショーケースを見ると 目当ての…

桃太郎と鬼

皆さんを成敗するために来ました 島に上陸してから桃太郎は大きな声でそう言った 鬼が島の住人達は驚いて振り返った そして笑った 成敗を口にするにはあまりにもひ弱で育ちのよさそうな少年が キジと犬と猿のぬいぐるみを背中に結び付けて立っていたから 鬼…

心の色

卵巣癌の疑いあり 開けてみなければ判らない 若い医者は丁寧な口調で優しい声で そう言った 娘はただ静かに涙を流した 善良な妻は小さな溜息をついた 私は自分が癌になる方が 何千倍も楽だった 一番弱い部分をそっと 抉られている気がした それでも娘はすぐ…

三か月

年が明けてからの今日までは、まさに悪夢の様な三か月だった。 娘が癌の疑いがあると宣告され、家族一丸となって闘ってきた。 どうにかそれも乗り越える事が出来た。 また平穏な日々が戻って来た。 もし神が居られるのであれば 心からの感謝を捧げたい・・・…

今日の1枚