灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

誕生祭

焼けたアスファルトの上に イグニションコードの切れ端が 蛇の死骸のように 打ち捨てられている 明日は私の誕生日 何という明るい日差しだろう 妻の検査結果に異常はなかった 安堵の気持ちはじわりと体をぬけ ありふれた日常がまた始まる カーテンは開かれな…

寓話

物語は消滅しえげつない空気が蔓延した 息苦しくなってきたので 人々はウサギの目を持った兎を探した 本物の兎を捧げなれば祭壇が整わないのだ そして物語もはじまらない それにしても どこもかしこも奇怪な輩ばかりだった 狐の目を持った兎や 狼の目を持っ…

しかも尚

繰り返される摩擦と刺激の中で 社会はオルガスムスを熱望している ディケンズは静かに帯を解く されど問題は陰核の位置なのだ 正確な情報は尚 ライオンキングの咆哮のように 空しく宙を舞う あたり触りのない言葉で 愛想笑いを浮かべる君 昔から君はそうだっ…

次第に追い詰められてゆく

ボクはいつものように 御託を並べて いい訳をしていた そんな事がいつまでも続かない事を 一番よく知っているのは 他でもないボク自身だった ボクが恰好を付けて 足踏みしたり 後戻ったりしてる間に なりふりかまわぬ輩が どんどん追い越して行った 厄介な荷…

らくさ

飯を喰わなくて生きられるなら らくさ でも美味しいものを食べる喜びもなくなるしね 苦しい事の裏側には楽しい事がびっしり張り付いてる だから本当の楽しいには苦しいの裏打ちが必要さ たとえば欲望を開放する前と後の らくさ 冷静な男というのはエストロゲ…