灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

誕生祭

焼けたアスファルトの上に
イグニションコードの切れ端が
蛇の死骸のように
打ち捨てられている


明日は私の誕生日
何という明るい日差しだろう


妻の検査結果に異常はなかった
安堵の気持ちはじわりと体をぬけ
ありふれた日常がまた始まる
カーテンは開かれないまま
物語は遠のいてゆく


明日は私の誕生日
少し早く神から頂いたプレゼント


昨日までの敬虔な気分を
うっちやって
やくざな物憂さが
じょちょうをはじめる


これでよかったのだ…
我知らず ため息をつく