灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧

no10 夢の続き

スーザンは所謂(いわゆる)男好きのする女で、自転車の後ろに乗せて松江を出発したものの福岡までの道のりのありとあらゆる所で見知らぬ男がちょっかいを出してくる。 それは若い学生だったり、土方の親父だったりよくもまあこんなに揃いもそろってと言いた…

no9 よくあること

N氏の会社の敷地の中にドラム缶が置いてある。 大家である建設会社の端材を処分する焼却炉だ。 でももっぱら最近はN氏が使っている。 N氏の会社で出る段ボールや紙くずを早朝の早い時間に燃やす。 ここは工場団地なので朝の時間には方々の敷地から焼却炉の…

no8  ランダムな人生

D氏は今一つの映画を観終わった なかなかいい映画だったので誰も席を立とうとしない D氏はシートに凭れたまま人生について考えてみる 戦争は多くの人々の人生を取り返しのつかぬ程狂わせたのだろう その余韻の残ったまま家に帰り録画していた大河ドラマのn…

no7 面倒くさがりな神

http://img02.naturum.ne.jp/usr/stepper/%E6%B2%B3%E5%86%85%E5%B7%9D%E3%81%B5%E3%82%8C%E3%81%82%E3%81%84%E3%83%93%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%B82007%20%E3%83%88%E3%82%A4%E3%83%AC%EF%BC%91.jpg 君はトイレに入る時に考えた事があるかね どの便器で用を…

no6 それぞれの旅立ち

いい事も悪い事も彼に絡みつく全ての縛りから解き放たれ 今朝もまた一人 白いベットから旅立った 愛すべきものに見送られ 憎み合った者に溜息を吐かせ 彼の歴史は閉じた いい人生だったかい? さあどうだかね まあこんなもんじゃねぇのかい 霊安室の厳かなる…

no5 辺境にて

http://www.sorae.jp/newsimg10/0219andromeda.jpg ここからは地球は見えない この惑星がどこにあるのかも皆目見当がつかない 十代の半ばに攫われてこの監視台(我々は檻と呼んでいる)でずっと捉われているのだ どの位時が流れたのだろうそれは今の私には皆…

no4 初夢

あれはもう十年くらい前の事。 正月2日の夜に見る夢を初夢と言うが、その年N氏は海辺に近い松の生い茂る小山を掘ると、ザクザクとお金が出てきた夢を見た事があった。 これから始まる一年がどんな素敵なハプニングが待ち受けているのか、N氏はワクワクしなが…

no3 神

ある日黒い鞄を下げた神が訪ねてきた。 カバンの中からアイパットを取り出すと、見事な手さばきで集計を始めた。 えーと総計770円でんな な なんの事ですか? あんたが生まれてから此の方神様にあげたお賽銭の総額ですがな そういうと頭の禿げた神はへへへと…