灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

2011-11-01から1ヶ月間の記事一覧

漆黒の闇

破滅へ向かうバスの窓は覆われている バスは奈落へ向かって疾走する 車内では半裸の乗客たちが 飽きることなく痴態を繰り広げる 恍惚の表情を浮かべ重なり合う肉体ひしめく叫喚 内耳から滴り落ちる倫理の腐液で床はてらてらと滑っている 例え明日地獄の業火…

かわらない

丘の上には風車がある 風がふいている 風がふいている 風がふいている 赤ん坊が生まれた朝も 婆さんが死んだ夜も 風車はまわっていた 季節が移ろい 渡り鳥たちは 遠い異国へ帰ってゆく 風がふいている としの離れた夫が倒れた日も スカートのすそを揺らして …

あるいは

その川を越えた処で 呼び止められて殺されるのだろう こんな不義理な奴はいないと 口々に喚きながら 鬼たちは拳を突き立てるだろう それでもやっぱり 血まみれの顔をを歪めて 微かに嗤うだろう 全く俺に相応しいと 不義理な俺に相応しい 最後だと 不貞腐れる…