灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

あるいは

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その川を越えた処で
呼び止められて殺されるのだろう
こんな不義理な奴はいないと
口々に喚きながら
鬼たちは拳を突き立てるだろう
それでもやっぱり
血まみれの顔をを歪めて
微かに嗤うだろう
全く俺に相応しいと
不義理な俺に相応しい
最後だと
不貞腐れるでも
途方に暮れるでもなく
血まみれの顔を歪めるだけの
中途半端な純情で
いい加減な冷血漢

やっぱり
あの猫は
ついてくるのだろうか
両の足を揃えて
ミュイとなく
そんな仕草が
何となくわらえる
手遅れなのだが
今となってな
そもそも
最初から
間に合う算段など
なかったのだ

まぁ いいか…
風はそよぎ
日はめくれてゆく
光景の中の刹那

そんなこともあった