2011-11-22 かわらない 競馬 #詩 丘の上には風車がある 風がふいている 風がふいている 風がふいている 赤ん坊が生まれた朝も 婆さんが死んだ夜も 風車はまわっていた 季節が移ろい 渡り鳥たちは 遠い異国へ帰ってゆく 風がふいている としの離れた夫が倒れた日も スカートのすそを揺らして 風は通り過ぎてゆく 涙に濡れた目で そんな風に見つめるのは 何人目だろう 風がふいている 風がふいている なにもかわらない 変わらない風景の中で すべてが少しずつ 変わってゆく