灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

また一人 また一人と消えてゆく
幼いボクを取り巻いていた人はもう殆どいない

いつの間にか一番外側に近いところで手をつないでいる
ああ あの人の あの人の懐かしい声や笑顔が
フラッシュフィルムのように流れては消える

君たちあとはしっかりやりたまえ
そういって操縦席に乗り込むこともなく
ただただ不格好な木偶の坊のように
病欠する

中村くんは
はい病気で休んでます
山田さんは
はい昨日死にました

そんな具合に
なし崩しに片付けられてゆく
要領のイイやつもわるいやつも
金持ちも貧乏人も
そんなに違いはない

もう何も案ずるな
疲れた顔は笑顔に変換!

幾万年の輪廻の中で
抜け殻のように
ただ風に吹かれてみる