森の中で裸で暮らしていた頃は
自殺するものなどいなかった
例えば狂人が出ても聖なるものとして
そのまま受け入れ尊ばれた
快適な暮らしを夢見て我々は森を出た
街には高層ビルが建ち並び車が溢れた
資本主義が続くためには
必要以上の商品を人々に買わせ続けなければならない
その為に間断なく欲望を刺激する
人々をある種の興奮状態にすることで
この社会はどうにか続いている
終われないダンスのように
趣味の悪い毎日が続いてゆく
三万人の死者達の呻きが聞こえるような
今夕の空だった