灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

あるつでわるつ

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それから三日目の朝
ボクは親父を産んだ

頭が大きいので難産だったけど
なんとか産んだ
親父は産まれるなり
説教を始めた

こんなことなら
母親を先に産めばよかった
後悔しても始まらないので
航海にでた

波は高く星星は輝いていた

とりあえずアイスランドへ向かった
あいすくりんは一本10円だった
ホームランが出ればもう一本貰えた
いつかえんえんと当たりが出る夢を見た

親父のおむつを替え乳房を含ませる
アイスランドには世界で一番大きな温泉がある
それは船長の口癖だった

癌で死んだのは船長で死ぬ前にお爺さんを産んだ
そのおじいさんを自給700円で雇って船を任せた

船は何処かに向かっている

アイスランドじゃねのかい!
パイプを咥えた爺が親父と碁を打ちながらにたりと笑う

風は西風地球はまあるい
どっちに向かっても何時かはつくだろう

それにしても
来年は親父を保育園に入れねばなるまい
陸に上がらねば

そう思案しているとすれ違った船の上で
女が一人カルメンを踊っている
あれは確かにアウンサン・スーチーだった
そのことをおやじに話そうとするが
二人は勝負に忙しい

大統領を辞めて漁師になったサルコジ
イルカに乗ってやってきた
やあ!釣れるかい?
あまり釣れないな
漁師も大統領も似たようなものさ


そうこうしているうちに
いつのまにか品川沖でぺりーの黒船とすれ違う
ぺりーの部下が私を指差して叫ぶ!
ダイブ!諸将が進んで待つぞ!


えっ!


だいぶ症状が進んでますね
奥さん一人じゃこりゃ大変だ

白衣を着た無礼な奴が
親しげに妻に話しかける
いつの間に…
まったく
油断も隙もありやせんなあ~