灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

変化

どんなに衣服を纏っても
温かい血が流れてなければ
あなたは爬虫類のように
笑うことすら覚束ない

どんなに体を洗っても
心の色は顔に出る
何処からともなく漂う腐臭は
消す術もない

一番柔らかいものが
一番大切なもの
一番無防備なものが
一番尊い

実は誰もがそれに気づいている
あの路地裏を徘徊する猫でさえ
柔らかな乳房と舌を携えている

だから君に告げよう
ただ微笑めと
理由なんかない

微笑むことで
ゆっくりと
世界はへんげする
信じなくてもいい
鳥が鳴くように
花が咲くように
ただ微笑めと…