灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

或いは

 
ついこないだまで猿やってたもんで
木から落ちることばっか
気にしてるんでさあ
なあにね
こうやって2本の足で歩くなんてのは
慣れねえもんで
すいませんね
楽することばっか考えて
馬の背に乗ってみたり
牛に畑を耕やさせたり
こんなつるんつるんの顔してるけど
心の中は欲望の毛だらけで
食べもしないのに殺してみたり
貶めたり辱めたり
それが結構えげつないんでさあ
数え切れない殺生の果てに
その死体を貪り食って
生き延びてやがるのに
その血だらけの
口を拭って
愛や希望や絆だって
よく言うよ
まったく
懲りねえ奴らだ
ボクもチミも