ディアハンター
忘れるために 始めた恋が忘れられない恋となり…
何一つ捨てきれないのなら
何処までも動き回る事で逃げるしかない
なんとかそこをすり抜けて生き残った者たちは
傷だらけの体で愛し合う
お互いの汚れと傷の浅さを確認するために
鮮やかな華の記憶を引き摺りながら
静かに人は乾燥してゆく
ドライフラワーのように
似ても似つかぬ物に色褪せてゆく
優しい者も悪しきものも押し並べて誰も許してはくれない
逃げ回る事をやめそこから飛び降りた者を除いては
電子レンジの中のように
音もなく乾燥してゆく
この毎日