灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

不憫


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世の中のもの凡てが不憫に思える時がある


皆沈むまいとして必死で水を掻いている

くしゃくしゃになりながら
それでも顔を歪めて嗤ってみる

そうだよなおまえも
騙されてここにいるんだよな

何が悪いとか
何がいいとか
勝手に決められて
最初から勝ち目はないんだよ

ただ温もりだけを信じて
ここをなんとか生き延びようとする

本物は皆知っているのさ
自分の無様な死にざまを

不憫 不憫 不憫
こんなずぶ濡れの躰でも
抱きあっていれば
互いの温もりで
少しの間救われる

甘い汁などないよ
皆同じ
ただの木偶の坊の集まりさ