端末の画面を
スワイプするように
時は流れ
留まることは許されず
あれだけ愛したものの面影さえ
徐々に薄れてゆく
スワイプ、スワイプ
モモ、モモ、モモ、モモ、
スワイプ、スワイプ
モモ、モモ、その他、その他
スワイプ、スワイプ、
モモ、その他、その他
味気ない者たちに
画面を埋め尽くされ
写真を撮ることさえ
めっきり少なくなった
とは云え
旅立ちのベルが聞こえる
うすら寒い背を丸め
この一月の陽気の中を
おずおずと歩き始める
予期しない出会いに
身を任す覚悟だけを
自分に言い聞かせながら
トボトボと…