灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

行程は未定

そうやって私達はまた進んで行った

風は冷たく大地は枯れていた  

登りに差し掛かるたびに誰かが倒れた

下りになると誰かが消えた 

誰もが憔悴して汚れ痩せこけていた

それでも顔を合わせると

自然と微笑んだ

僅かな食べ物を皆で分け合い

一つの水筒を廻して飲んだ

敵はそこかしこにいて

ゾンビのように絡みついてきた

それでも確実に進んでいる

もうわたし達はか弱い羊ではなかった

集合!

隊長の声がして

わたし達はまた進みはじめる

その先に何があるのか

まだわからない 

不思議なたび

けれども柵を越えて

進み始めたからには

止まらない事が肝要だ

誰かがたおれても

すすみつづける

どこまでも