灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

覆い尽くす欺瞞

この国には欺瞞が横溢している
若者たちは直感でそれを見抜く
誰も選挙に等行かない
AKBや嵐に夢中になる


この国には触れてはならない嘘がある
女達は肌でそれを感じている
仕方ないわねと韓流のドラマに嵌る


この国を真の独立国だと思う男は
一人もいない
皆先祖を殺した者たちに跪き
ギブミーチョコレート
そう叫び続けている


街中に死体が溢れていた
その光景はまだ年老いた網膜に
焼きついている
だがそれを語るには
入れ歯の口はぎこちない
それに開かれた耳は
もうどこにもない
老人は溜息をつき
ヨタヨタと歩き始める
都会の闇の中に
草臥れた日の丸を背に
消えてゆく

次はあなたの
番なのだ