灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

王様と姫君

王様!大変です
姫君が彼氏を連れてもどられました
喜ばしい事ではないか
それがその彼氏と言うのが少し問題が・・・
なんだね 驚かないから云いなさい
はいあの姫君のお相手はかなり年上で・・・
それぐらいどうしたというのだ
娘が選んだその相手を私は喜んでむかえよう

そこの立っていたのは王様よりもはるかに年上の腰の曲がった爺さんだった
オウあんたがこの子のてておやかい 若いなぁ あんたわしの子供とおなじくらいかなぁ へへへ
しわがれた声でそう言って 口からガバッと入れ歯を取り出しペッペツと降って開いて覗きこんだ
ひょひょどうもふむ調子がはふ悪いとへもったらこないんべふ所にぎふ沢庵の切れぴフ端が・・・へふ~
姫君は幸せそうに笑いながらぴったりとそんな老人に寄り添っていた。

ふむ・・・その手にきたか
王様は額に手を当て
そう呟くと項垂れて寝室へ行き
深い眠りについた



王様大変です
姫君が彼氏を連れてもどられました
喜ばしい事ではないか
それがその相手と言うの少し問題が・・・
なんだね 驚かないから云いなさい

はいあのうその彼氏と言うの実はその・・・

人間ではないのです

ふむ それがどうしたというのだ

娘が選んだ相手なら例え人間でなくても

わしはわしは・・・ともかくあってみよう

そこにはゴールドシップに跨った娘の姿があった

おとうさま~私の選んだ相手をみて~

白くて素敵でしよう



オオなんという事だ

すぐに降りなさい

宝塚記念の本番が近いというのに
なんという事をするのだ
この国の1千万の競馬フアンの恨みを買うぞ!
おまえのその120キロもの体重でサラブレトに跨るなど・・・