灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

けれど波うちぎわで


あんたの柔らかな触手が伸びて
あたいの美しい尾びれにふれるとき
ああそうだったんだねと
むかしの逢瀬があぶくのように浮かびくるの
びしょぷぼぶでの限りないあいとほうしの
ぐるぐるぐるる~やっぱりあんたはいつもそう そうそう

月夜の晩にあなたと泳ぐやるせなさ
銀のおべべにアンバーの吸盤
だるくだあ~るく抱きついて
静かに沈んで ゆめのきゅうさく
カールポランニー ジヨルジュバタイユ ああ
とろけるスミを吐きかけて

つきせぬおもいのほろにがさ
あこや貝の狂おしさ・・・
それでも好きというのなら
肌をあわせてひさしい竜宮へ
しずかにそろりとまいりましょうぞ
いとしい あんた