灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

買い物

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才能が切れたので
買いに行った
いつもより高いのを
手にとって見てると
店主が苦笑いする
背伸びはよしな
いつものを買って帰る

その日の夜 
ボクが偽物と見破った人たちが
たいまつを手に手に押し寄せてくる
回覧板を持っていくふりをして
どうにか逃げのびる

あれから何年経ったんだろう
相変わらずボクは偽物で
安い才能を買ってきては
どうにかその場を凌いでいる

そのうちボクはなるかもしれない
何にって
決まってるだろ
偽物の本物にさ
あれ本物の偽物だったかな

そんな事はどうでもいい
そろそろ戸棚の才能がなくなるな
また買わなくちゃな