灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

市場の風景



晦日の日の夕刻 紅白歌合戦が始まるころに市場を歩くのが好きだ。
直方感田びっくり市は昔の市場の雰囲気をよく残していて私のお気に入りの場所だ。
紅白の始まる頃になると売れ残った魚の叩き売りが始まる
ええいしゃーしいもうなんでんかんでん千円にしとくけもっていきない!
12000円のブリが1000円になったりする
商売人たちは市場の片づけもそこそこに待たせたタクシーで馴染みの温泉へ
そんな訳で売れのこった物は川筋男の気風の良さでものの見事に叩き売られるののだ。
そんな光景を見るのが好きだ。
清掃車がごみを回収に来るころには市場の雑踏が潮を引くように凪いで行く
そして帰りそびれた私を置き去りにして街は新しい年を迎える。
北風を背に私も家路へ向かう 今年もなかなかいい年だったななどと考えながら・・・。