灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

父と息子は 肝心な事は
もう何も話さない

とりとめのない話に
相槌を打つだけ
傍目にはよそよそしく見える



父の心にはいつでも息子がいて
離れていても その姿が見える
何を考え 何と闘っているのか
聞かなくても全てわかる


相手の間断のない太刀を受け続ける時
身体の中の父の存在に気づかされる
言葉を交わせなくなって初めて
息子はカラダの中の父と話し始める
血の中にある父から祖父・曾祖父…と
続く連綿たるオスの記憶
少しづつそれがよみがえる


あまり話せなくなってから
父と息子の関係ははじまる


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