灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

五人の爺さん

本日は世界中から五人の御老人に集まってもらいました
それではこれから私のする質問に順不同にお答えください
事前に連絡して皆さんに自慢の品をご持参願いましたが…
質問1はあなたの自慢の品は何ですか?

背の高い恰幅のいいアメリカの爺さんが咳払いして答えた
大きすぎてここには持ってこれなんだ
空港に置いてある自家用ジェットかな
むろん有能なパイロットと美人のアテンダントも自前じゃ

わしか わしの自慢はこの代々伝わるペニスケースじゃ どのくらい古いかはここでは話せん 長ごうてな ほれええぐわいにひかりよるじゃろ どうじゃ

わしは40年間勤め上げたこの永年勤続感謝状かな

わしは妻との思い出 それに子ども孫じゃ

わしはこの年金手帳が今は宝じゃ

中略…

質問12
ところで下の世話は誰にしてもらいますか?

部族のものが皆で率先してしてくれるそれが慣習じゃ
(貧しいのう 笑)
妻がいない時には娘か嫁がしてくれるあたりまえのことじゃ
(羨ましいのう)
看護婦かヘルパーがしてくれる国の制度じゃからな
(臭いものには蓋をするんかい)
フイリピン人の付添婦が金払ってるからな
(ほかの部族に任すとはけしからん!)
ロボットが…。
(唖然!)


それでは
質問13
ところでみなさんが死んだら誰が悲しんでくれますか?

雇い人かな 彼等失業するからな
(悪いジョークだ)
ヘルパーかないい患者だったからね
(行き届いていても孤独なのか)
妻と子供たちかな それと少しの友達
(それが当たり前だ)
葬式に来た半数の人々 残りは義理かな
(半数ならいいじゃないか)
ひと月の間 部族をあげて喪に服する
(ホホウ!人の尊厳が生きている)


最後に
質問14
みなさんご自分の一生を振り返ってみていい人生でしたか?

物質的には恵まれていたが正直にいうと寂しい人生じゃな…

働いて結婚して子孫を残して人並みかな

やりたい事はやったしこんなもんだろう

曲がりなりにもここまで生きてこれて神に感謝している

いい人生だとそんな事考えた事もないわしらは生まれて役目を果たし死んでゆくそれだけの事じゃ


みなさん今日はありがとうございました



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