灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

血塗れの夜

いくつかの危険な因子を
内包したまま
ボク等は出逢う
皮膚を突き破って
その存在を露わにする因子もあるが
大部分は皮脂の下に
潜在意識の深い闇の中に
佇んでいて
本人でさえその存在に気付いていない

けれども苦しい状況に追い込まれると
それらは牙を剝く
お互いをズタズタに切り裂きながら
ボク等はまだ愛の恋のと囁きつづけるだろう
そう言えば今夜は針金のような
新月だった

月に向かって
吠えてみるかい
ウオ~~~ン ウオオ~~~ン

おお 何という

寂しい夜だ
優しさの幻想を
打ち捨てた 夜