灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

穴ぐらの底にいる者と

上から覗き込んだ者とは

闇の深さが違う

覗き込んだ者は闇の暗さが

あってはならないものに思え

底にいる者は日々闇の深さと

無力と絶望を味わっている

 

いずれにしても

穴ぐらの存在を

知らない者には

それらを伝える術はないし

聴く耳ももたない

またその話 もううんざり

ニノの子供の話の方が

何百万倍も大事よ

 

生き埋めにされた

何千万羽の鶏の絶望は

人には理解できない

 

圧倒的な知的レベルの差は

相手を物扱いにすることに

何の呵責もない

 

倫理の範囲はどうだ

生きとし生けるものと

いにしえの聖人達は

口を揃える

 

闇はそこにあり

それは事実なのだ

魂とは?の答を出してからでは

遅すぎるし、

出さないままでは一歩も前に進めない

さあどうする 人類

第7走者 ホモサピエンス