灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

甲板

角を曲がればそこから見える風景が中心になる

甲板にお集まりの皆さん

ようこそ!地球号へ

それでは簡単な質問を始めます

yesかnoかで左右に別れてください

○○○だと思う

そう思う方は赤へ

思わないかたは白へ

わからないかたは中央に

時間は1分…

ハイストップ!

突然ガバッと甲板の中央が割れ

わからないと意思表示した連中が

阿鼻叫喚の叫びと一緒に消えた

ハイ次の質問です

 ***   だと思う方は赤 思わない方は黒

ハイ終了

今度は誰も中央には残らなかった

それでも突然赤の甲板が開き

小さな叫び声と共に半数が消えた

皆ガタガタ震えて言葉を失っていた

 

かなりスッキリしましたね

それでは質問を続けます

------だと思う方は赤へ、思わない方は白へ

こんな事を繰り返しながら船は進んで行った

何度目かの質問で海に放り出された私は暗い波間を漂ったのちに、ゴムボートに救助された

毛布に包まり温かいココアを飲みながら

遠くに去りゆく船の姿を眺めていた

いったい何処へ行くんだろう

破滅さ!

傍らにいた将校は吐き捨てる様に言った

その口元は苦しく歪んでいた。

滅びに至る門は…

そんな聖書の一節を思い出していた。

キリスト教徒ではないのだけれど