灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

夜明けは近い

あまりにも

暗闇に馴れすぎて

だれもかれも

目を閉じたままの暮らしに

慣れてしまった

身近の誰かの温もりだけを頼りに

手さぐりで右往左往する

本当の私達って

いったいどんな感じなのかなあ

飼い慣らされすぎて

大地を知らないニワトリのように

薄汚れた水槽の中で 

波の音さえ知ることもなく

溶けてゆく熱帯魚のように

本当の姿を味わうこともなく

意味もなく片付けられてゆく

柔順で無力な私達って

何なのだろう

柔らかな羊の群

神を信じ 性善説を疑わない

薄汚れた羊の群  

 

運良く夜明けが来たときに

何匹が生き延びているのだろう

そんなことを幾度も繰り返して

太陽の周りを疾走する

この惑星

それが 地球


f:id:haru24169841yr:20220213215053j:image