灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

歪んだ仕組み

その中心部は歪んでいたから
ギィギィと音を立てて廻った
破れたところ所から 蜜が垂れ流しになっていた
中心に一番近いものがそれを独り占めにした
彼らは家来を幾重にも並べて視界を遮った
誰かが批判すると
彼らは口を拭って それは歪んでないと言い張った
けれども彼らの発する腐臭を嗅ぎつけて
何かを隠しているのは分かった
人々は皆ヒステリックに誰彼かまわず噛みついた
何かが歪んでいる 皆それに気付いていた
哀しい事に人々は僅かな蜜の為に
幾度も仲間割れを強いられた
永遠に続く歪な仕組み

ほら 耳を澄ませば聞こえるだろう
ギィギィと悲鳴に似た音が
それが聞こえなくなった時
ぼくらはただの屑になる

音が聞こえたなら
今すぐ行動を起こそう
音が聞こえるうちに