灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

審判には逆らえない

数が増えすぎたので
半分にするという
どうする?

牧場の中の羊たちは
おとなしく逃げ惑う
ギィギィ悲鳴を上げながら

哀しいかな
彼らには手がない
それに
もはや考えるだけの脳味噌が
ない

いつの間にか
勝負はついていた
柵の中と外と

草を食んで
快楽に耽っている間に
狼たちは審判の服を着て.
バーベキューのコンロを
作っていた
いくつもいくつも

今朝は草を食みながらも
誰もが哀しい目をしている

神は出かけている