灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

不束か

冬の日の夕暮れ
墓地に独り佇み
存在の震えに
おののく

辻褄の合う
事柄はない
ただ漠然と
総てがうつろう

私に都合のいい
神も天国もない

あるのは
どうしようもなく
雑多で無神経な
この現実だけだ

君の笑顔だけを
支えに此処まで
きたけれど

いざとなれば
冷たい波間に
身を投げる覚悟は
心の中に
ある

だから
束の間の
笑顔を
ふりまいてくれ

今日は今日なりの
一日が来るだろう
今はそのことに
そっと手を合わせる
不束かではあるけれど…