しがない詩人は
その境地だけを頼りに
詩を書き続ける
たとえ理解されなくとも
研ぎ澄まされた言葉を紡ぎ続ける
しがない絵かきは
みずからの感性だけを頼りに
絵を書き続ける
心の内奥から迸る
意欲に憑かれて
なんの取り柄もない
私は誤魔化しながら
生きてゆく
燃え尽きることもなく
危ない橋も渡ることもなく
闇雲に日常をやり過ごす
いつか後悔する日が
くるのだろう
それは遠い先のようではあるが
既に終わってしまっているのかもしれない
この締まりのない
湿りきった心と体に
火が付く事があるのだろうか
そういえば
火事で逃げ回る夢さえ
最近は見ることもない