速い者は皆先へ行ってしまい
遅いものは皆抜いてしまった
奇妙に安定したこの位置を
手探りで進んでゆく
コクピットに身を沈め
驚きと不安と悔恨の刹那も
操縦桿を放棄する事はしない
恰も多くの事を知っているかのような
ふざけた錯覚に陥る事はままある
一粒の種は何の学習もせず
一羽のツバメは誰の教示も受けずに
事を成就する
頭に惑わされるな
総てのナビは
この身と心にある
我々は皆
自分の行き先を
知ることは出来ない
それでも
何がいいのかを
感じる事は出来る