灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

螺旋


多くの人の嘘の上に
不安な楼閣は揺らいでいる
風向次第で逃げ場所も変わり
作り笑いの内に毒を隠す
1.6キロのシーソーの端に腰掛け
ビーカーの中に沈んでゆく太陽を見ていた
感情が理性を手こずらせ
幸せはアセチレンライトを浴びて褪せてゆく
運命を受け入れるには
あまりにも静寂に満ちている

私に都合のよい神などいない
私の入る天国などないのだ

その説話を始めた黒いカラスは
万華鏡の中で変化を続けている
摩訶不思議の漠然と偶然の中で
一万回手を振って
天使は悪魔に変容する
すべてはあなたの記憶の中にあり
終わりの言葉だけが私の手の中にある

あなたを呪う悪魔などいない
あなたの落ちる地獄などない

ナノからテラへ
過去から未来へ
此処から其処へ
意識が空間と時を取捨し
ありきたりな日常がまた始まる
顔を出して川を流されて行くが如くに
為すすべもなく場面は変わる

不覚にも…
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