物分りの良い神なら混雑するだろうし
たちまち予算もオーバーする
聞き分けのない神なら80人は引き返す
最初からいなければいい
各自勝手にああだこうだと言い始め
祭壇や偶像をこさえて目を閉じる
それでも
信じるものは信じればいい
静かにお気に入りの音楽を聴くように
心を洗えばいい
今のところ
ボクには神はいない
愛する妻と子と少しの友人と飼い犬がいるだけの
シンプルな人生
それでも
一日の仕事を終え
夕日を浴びて
飼い犬と家路につくとき
そこはかとない幸せが
心を満たす
神など信じていないが
そんな時 (ありがとう)と
つぶやく 誰にともなく
風にむかって頭を下げる