灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

#その他文学

K耐

ふらふらとよろめきながら私は通りを歩いている 知らない街だ 取りつく島のないよそよそしさが私の不安を煽る 私はいったい何処へ向かっているのだろう わからない…ただ焦りだけが心をかすめる 早朝か⁉ 朝霧のようなものの残滓がニセアカシアの並木を退いて…

幽霊への注意書

http://img02.hamazo.tv/usr/kobayashi1976/20060622103033.jpg 賑やかな所は避ける(祭、街頭演説会、パチンコ屋等・・) 派手な服装は避ける(白が基本) 大勢で徒党を組まない 幸せそうな顔をしない 胸を張らない・肩をイカラセナイ しつこく出ない 余韻…

生い立ち

ボクたちは吹きっ晒しの教室に集められた 生徒は母のない子ばかり 片足のない犬も混じっていた 教壇の机には白い撫子が一輪活けらていた 皆休み時間になると遠くの風景を見ていた 誰もがもう涙を流して泣くことはなかった 年老いた教師はゆつくりと噛んでふ…

その後

きれいね~ 紅は水面をのぞき込んでそう呟く 水中に新宿副都心が揺らいでいる くれない この情景を言葉で表現してごらん 紅は意味がわからずふわりと笑っている そういえば昔ネットのなかに 木馬館って言うのがあったな ハルは微かに思い出す 水溢の前のこと…