灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

進六爺さん

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死んだもんは霊になっての あちらの世界でわしらをずっと見守っちょる
普段はの守護霊と背後霊の二交代勤務でじゃが おめえさまが誰かとお付き合いをばはじめての順調に彼等の書いた筋書きどうりに事が運んでじゃ さて結婚でもするかとなると 
あちらそりゃもう大変なんじゃ
新婦・新郎それぞれのの守護霊 背後霊 縁者達の霊 霊界監察官等 多くの霊に召集がかけられての
それぞれの遺伝子やマイナス因子の可能性など様々のことが丹念に討議されるんじゃ
双方一族の繁栄がかかっとるからの どちらも一歩も引かないんじゃ
特に守護霊・背後霊のコンビ同士のやり取りはの バトミントンのダブルスを彷彿とさせるのお~
大抵の場合議論が出尽くした後でじゃな 妥協点をば見つけて両者折り合いを付けてじゃな
何とか円満に事を進める事になるのじゃが
双方の意見がこの結婚は利するところなしで一致してしまうとの
今度はどのように破局させるかの議論が始まるわけなんじゃ
場所はどこでどちらがどれだけの傷をおうかまで討議が繰り返されるんじゃ
そうやって出た結論は双方署名捺印の上監察官に提出され認可を待つという段取りじゃ
わしらの運命はこういう風にしてわしらの預かり知らぬ所で決められてゆくんじゃ

てなことをこないだ死んだニワトリによく似た進六爺さんはくり返しくり返し言っていた

それなら私にも相手を探してよ そう冗談で言うと
ああわかっとるわい わしが死んだらいの一番にお前さんの相手を探してやるよ
いつもそう言ってくれた

もう四九日もすんだし そろそろかな~


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