灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

二代のパソコン



我が家には二台のパソコンがある
一台は二年前に買った自作の水冷の高性能のデスクトップ
もう一台は6年前に娘に買ったノートパソコン
ひと月前まで物置で埃をかぶっていた
そんな古いパソコン捨ててしまえばいいのだが
最初に手にしたときの娘の笑顔が浮かんで
なんとなく捨てられないでいた

今年デスクトップが不調になり
修理に出した3週間の間
ノートパソコンはヨタヨタしながらも
何とか代役を果たした

そして無理が祟ったのか最近ネットに繋がらなくなった
プラグインの更新をしなくてはならないのだが
基本的メモリー量が少なくキャッシュがすぐいっぱいになる
毎晩寝床に入るとこのパソコンの調整を始める
モリークリーナーでメモリーを掃除し
宥めながら必要なプラグインを一つずつ更新してゆく
でも途中でメモリーが一杯になるのか更新を中断される
一つ一つの動作に時間がかかるので
いつも途中で眠たくなる
毎晩そんなことを繰り返しながら眠りに就く

このパソコンが捨てられないのは
なんだかその存在が妻とダブって見えるからかもしれない
思えば妻も古びたメモリーを上書きしながら
生活してるようなものだ
新しいプラグインに取り替えてやることも出来ずに
何とか現状を維持している

そんなことをこのパソコンは教えてくれた
当分妻とパソコンを労わる生活は続いてゆく
古いメモリーを探して増設するその日まで
妻には優しい言葉をかけながら
なんとか暮らしてゆこう
笑いながら少しずつ
生活を改善してゆこう
一寸先が闇のこの世では
優しさは先延ばしに出来ないから
優しくするのは今しかない
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