昨日虹を見た
久し振りの事だった
ボクは天を仰ぎ何度もため息をついた
思えば煩雑な日常のディテイルに塗れ
ありきたりな人間関係の処理におわれ
何かを畏れ 感動することから遠ざかっていた
だからなんだというんだ
纏めようとする嫌な癖が
頑張ろうと掛け声をあげる
救いようのない癖が
油断するとすぐ脳を支配する
それはありきたりの虹だった
だからありきたりの感動しか呼ばなかった
もっとグロテスクな虹だったら
真紅と黒と黄金の逆そりの強烈な奴だったら
ボクは大地にひれ伏したかもしれない
怖くて泣きだしたかもしれない
この世に起こる事は
大体において想定の範囲内の事ばかりだ
だから誰も眼を醒まさない
深い眠りについたままだ
一部の詩人だけが
寝返りをうつ
寝言を呟く
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