灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

はかり

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この世とあの世を隔てる川
その川の向こうには案内所があって
そこには一台のはかりが置かれている

川を渡ってきた人は誰もが素裸で口もきけないから 
一人ずつ網羅に手をひかれてそのはかりにのる

そのはかりはあなたの魂の重さを量るのだ 
どんなにごまかしてうまく世を渡ってきてもそのはかりは騙せない

あなたが真摯に生きてきた分だけその針は振れる 
真面目に誠実に生きて 
たとえこの世で報われなくても 
そのはかりに乗れば全てが明らかになる 
針の振れ方であなたの進む扉が開く 
中には納得がいかないと暴れるものもいるが 
涙を流して跪くものもいる 

針は公正で人知を超えている 
だから君よ 
不条理なこの世界で自分を見失うな 
たとえ倒れようとも自分自身を裏切るな 
いつかその足ではかりに乗るのだから