灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

何年か振りに嫁の実家に泊まった

 家が車で15分位と近いので、行き来は頻繁にしてもなかなか泊まる機会はなかった嫁の実家。

98歳の義父と93歳の儀母の二人暮しで入退院を繰り返す超低空飛行ながらなんとか二人だけで生活して来たのだが、次第に義父が弱り2年前に車の運転もやめて、日常生活では頻繁にこけるようになり、指先もうまく動かなくなり、先々月に肺炎を悪化させた多臓器不全でこの世を去った。

その葬儀も四九日も滞りなく済み、その間実家に寝泊まりしてくれていた義兄夫婦も関東へ帰った。

独りになった母の暮らしが心配で手筈通り私達夫婦が同居を始めようと何度も母に申しでるのだがなかなか首を立てに振らなかった。

独り暮らしを満喫するから、夕食だけ届けてとかいよいよの時は頼むから等と気丈な母は皆の心配をよそに笑顔を作ってみせる。

ところが突然私の身体が悪くなって、病院にかかった事を知ると今すぐ私が行って御浄霊をしてあげたいという。

実は妻の両親は世界救世教の熱心な信者で家の2階には御神殿もあった。

若い私はそれを毛嫌いしお互い其の事には触れないで関係は続いていった。

救世教の奥義は手かざしで明主の光を取り次ぎ相手の魂を浄め身体の悪い部分を浄化することにある。救世教などはなから馬鹿にして何も信じていない私も私の息子達二人も、儀母の行うこの御浄霊というなの手かざしの手技にはその不思議な効果を認めていた。 今振り返ってみると、実際幾度となく病から救われた気がする。手術や薬のように劇的にどうのこうのと言う訳ではないのだが施術前と後ではあきらかに身体の調子が違うのだ。実際母の手はかなり熱くなっているし、手をかざされた患部は徐々に熱くなってくる。

その事を不思議に思って色々調べた事もあった。

さて今回は私自身身体の不調に困っていたので自ら願い出て御浄霊を受けることにした。

ついでに実家で夕食をとりそのまま泊まる用意もして実家に到着。幼稚園の先生をしている娘も流行るインフルエンザと迫りくる運動会の板挟みでクタクタになり、母の浄霊を受けたがっており少し遅れて来るとの事。

まず神殿に手を合わせて礼をしたあと向き合って座り母の御浄霊が始まった。途中向きを変えて1時間位

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身体がガチガチに凝ってるよって言われて施術終了

そのあと娘も来て皆でワイワイ食事をした。今日止まっても良いですか?

いいよ❢

寝る前にもう一度御浄霊をするからね、そしたらぐっすり眠れるからね

 

食後にまず娘がしてもらい、その後私がまたしてもらった。

娘は私に比べて施術の時間が短く不満顔でその事を妻が母に言うと、香織は疲れてるだけでどこも悪くないからよと笑った。

2度目の長い施術のあと母はあんたは腰が悪いんじゃなくて右の腎臓が悪いのよと言ったそういえば思い当たるふしがあった。

月曜に血尿の様な濃い尿が出て一瞬ハッとした事を思い出した。その後尿は徐々に普通の色に戻っていき頭のなかで安堵していたのだ。

泊まりの許可が出たので、2階に上がり

今は物置きになっている元の妻の部屋を片付け作り付けのベットを出してみた。

その上にゴザをひいて寝てみるとなかなかいい感じ、妻と娘は向いの ご神殿があった畳の部屋に 寝ることにして スマホタブレットの設定を済ませた。 奇しくも今夜は 亡くなった義父の 月命日にあたる そんなことを考えながら いつのまにか寝入ってしまった。 明け方網戸にした窓から心地よい涼風が入ってきて 太西の空を見上げると 煌々とした満月が 淡い光を放っている その光が部屋の中に差し込んできて ちょうど私が寝ているベッドを包み込む 不思議な神々しい感じに包まれていると いつのまにか妻が傍らに立っていてよく眠れたと聞く うんすごくよく眠れたよと言って 笑った よかったねお母さんも喜ぶよ そう言って妻は朝起き会に行った。


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妻が帰ってきたら 一度家に帰って また御浄霊を受けて泊まりに来よう

そうだこの部屋の破れた網戸も2枚とも張替えなくっちゃね