灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

きづいて   (ある小説のためのコンテ)



どんなにわたしを愛しても
満たせない時がある事に

きづいて

抱きしめて熱いキスをして
あなたの腕の中にいる
私のかすかなためいきに

きづいて

それでもこんなわたしを欲しいというなら
せめて悲しいときにはそばにいて
そう言葉にできないよわさに

きづいて

あなたのくれた温もりが
少しずつ冷めてゆくのを感じながら
一人で眠るわたしの夜に

きづいて


満たそうとすればするほど
すきまは少しずつおおきくなってゆくのよ
背中から抱きしめられたわたしの
ほほをつたうなみだに

きづいて


あなたを愛していても
あなたに愛されていても
うめることにできない
とうめいな時があることに

きづいて


きづいても
きづかないふりをして


何も言わずに
ただ優しく笑って


こんな我儘な
わたしだけど

どうか
そのまま
抱き締めて


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