灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

橋のたもとで

 
この様はなんだね
橋のたもとで不意に
                     声を掛けられた
 
 
振り返ると1匹の黒い猫がまんじりともせずに私を見て何か話している
この様はいったいなんだね
お前たち人間がうまくやるというからこの星の運営を任せたというのに
そうだそうだ
茂みの中から茶色の犬も声を合わせる
ふざけてんじゃねぇぞ~
電線の上からカラスの甲高い声もする
申し訳ない
と私は深々と頭を下げた
 
思えば恐竜達がしくじった後
誰もがしり込みする中
是非やらせてほしいと手を挙げ
この星の運営を任されたのが
つい昨日の事のように思い出される
あれから幾多の試練を乗り越え
あるいは悪行の限りを尽くし
今の時代がある
一体どこへ向かっているのか
見当もつかない
 
けれども人間もそう捨てたもんじゃないさ
おらそうおもうんだわさ
 
もう少しだけ待ってくれまいか
もう少しだけ・・・。