灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

小さな戦士たち

1976年初頭世界中で二万五千人の少年少女が忽然と姿を消した
当時は人身売買や三国による拉致営利目的の誘拐のせんで当局も動いたが確たる情報もないまま事件は次第に風化していった


太郎は両親が寝るのを待ってそっと家を抜け出しました。
本当はいけない事だけど どうしてもしなくてはならない事があったのです。
公園に着くともうたくさんの子供が集まってました。
皆パジャマ姿です 眠そうにあくびをしてる子もいます。
やがて一人の少年がベンチの上にあがりました。
「諸君!これより皆さんに一人の宇宙人を紹介します」
少年が手招きすると緑色のカンガルーみたいなのがベンチの上に上がりました。
「みなさんぺぺろん星のガガガコです いま銀河の果てで戦いが続いています
どうかみなさんもこの地球を守るためにこの戦いに参加して下さい」
ガガガコが魔法の杖で触ると公園の遊具がたちまち宇宙船に変身しました。
子どもたちはみな歓声を上げました。
太郎がまたがった木馬も魔法の杖の一振りでペガサスに変身しました。

その夜世界中の公園から飛び立った数えきれない遊具型宇宙船に乗った子ども達が
月の基地に集結したのです
子ども達は幾つもの編隊を組んで銀河の果てに向かって旅立っていきました。
愛する地球を守るために 自分たちの未来を守るために
ワアープを続けながら銀河の果てに着くころには皆三十歳前後の青年になるのです。

母船の中ではガガガコを取り囲んで皆が質問しています
「どうして子供でなきゃ戦えないのですか?」
「おとなの目は開いていても何も見えない おとなの耳は聞こえていても何も聞かない おとなの口は
本当の事は何も話せない だから君たちが戦うんだよ」
「ぼくたちにも敵が倒せるんですか?」
「 大事なのは敵をよく見る事 そして地球を守るという強い意志を持つ事だよ 今から銀河の果てに着くまでに君たちは立派な戦士になれるよ」
「ガガガコさんの星はどうなったんですか?」
「………ツーベック星人に滅ぼされた」
「なぜ地球を助けるんですか?」
「あんな悲しいめにあうのはボクの星だけでもうたくさんだよ」

私は夜空を見上げるたびに彼等の事を考える。
戦いはうまく行ったのだろうか
地球へはいつ帰ってくるのだろうか…と


あの夜私は腹痛の為公園へは行けなかったのだ。





ブログ村にて他のブログと激戦中
是非とも援軍をクリックして送ってね↓
[https://novel.blogmura.com/ にほんブログ村 小説ブログ

こちらもクリック↓
<a href=http://x.peps.jp/mnovel/&s_id=24169841>;携帯小説Ranking</a>