灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

アルブウ

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 「おおついにアルブウが完成したぞ!」
「博士おめでとうございます、ついに血中アルコール濃度を瞬時にゼロにする薬が出来たのですね」
「おおそうだ この薬でもう酒酔い運転の心配はなくなるし 閑古鳥が鳴いている飲み屋街もまた蘇るぞ!」
「では早速試してみましょう」
助手は用意したウイスキーをラッパ飲みした
「フーッ!グビ~~~@:*酔っ払っちまった~へへへ」
「よしこれをこうしてコップに入れて さあ飲みなさい」
ゴックン!
「おお!博士身体の中が瞬時に爽やかに蘇ります」
「ただし欠点があるんだ~」
「なんです欠点とは?」
博士はニタニタ笑って助手を見ている
「お・お・おなんだか猛烈におならがしたくなった失礼します」
(プウ~~~)
「これが欠点なんじゃよ アセトアルデヒドを分解するとそれが気体になって肛門から噴出するんじゃ つまりおならじゃな」
「それでアルブウだったんですね でも博士このくらいの欠点はあってしかるべきですよ むしろユーモアがあっていいじゃありませんか ぼくには繁華街のあちこちでブーブープープー行ってる光景が目に浮かびます」
「おおそうか それでは早速厚生省に新薬認可の手続きを取ってくれ」


 それから十年
生活の為研究室を辞めてほかの職についたかっての助手が博士を訪ねた
「あや~君は懐かしいな~あの時は苦労掛けたな」
「博士こそ奥さんにも逃げられたと聞きましたが大丈夫ですか」
「ははん今に見ておれ 大金持ちになって旗を立てて迎えに行くさ」
「ところで博士あのアルブウという薬どうなったんですかね?」
「あの頃は幾度厚生省に問い合わせても臨床データ検証中というばかりだったけど」
「ふむ~色々な利害がからんでおるからな どこかから横やりが入っておったんじゃろう」
「そうなんですか~世の中って分からないですね単純にいいと思える事でもそれによって不利益を被る人たちとの調整が付かないと日の目を見る事がないなんて…」
「こんなことでめげてはおられんぞ 実はわしは次の薬を開発中なんじゃ」
「どんな薬なんですそれは…」
「ヨクノンといってな これを飲むと他人を蹴落そうとか自分だけいい目にあいたいという自分勝手な心がが綺麗さっぱりなくなるんじゃ」
「なるほど!いいですね~だけど……だけど」
「なんじゃね?」
「前のより いっそう認可されそうにないですね~」
「……」


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