灰色のロバ

地球が宙に浮いていること 誰もがそれを忘れている それでも時折不安になる

新しい境地

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前回大当たりしたのは二年前の春の天皇賞だった。
不意の幸運に舞い上がってしまった。
次の日からせっかくの配当金をこともあろうに地方競馬にせっせとつぎ込んでしまった。
気が付くと全てなくしてしまっていた。
次に当たることがあったら、この失敗だけは繰り返すまい。
そう心に刻んで修行を積んできた。

今回は不思議なくらい冷静でいられる。
この二年間負け続けたお陰でこの境地に辿り着けたのだろう。
さて次はどうするか?
それはこの2年の間何十回も何百回もシュミレートしてきた。
それを淡々と実行に移すだけのことだ。
たとえ今回うまくいかなくても確実に勝利の扉へ近づいている実感はある。
夢は諦めないで努力を続ける限りいつか実現する。
その言葉を確信して次の勝負のテーブルにつく。